2011年1月30日日曜日

【リポート】まつしげ人形劇フェスティバル2010★(最終回)

 
 10回にわたった【リポート】も、今回で最終回です。ここでは、「まつしげ人形劇フェスティバル2010」の舞台裏を写真とともに紹介します。

 最初の写真は、「影あそびワークショップ」の会場になった資料館常設展示室の設営状況です。普段、松茂町の歴史・民俗(テーマ:水とたたかう松茂の人々)を紹介している展示室が、フェスティバル期間中だけはスクリーンを設営して楽しい体験学習会場になります。



 次の写真は、同じく資料館の文化財展示室です。普段は人形浄瑠璃芝居の木偶人形の展示室ですが、やはりフェスティバル期間中は小さな劇場に変わります。

 仮設とはいえ、背景も袖幕も手摺(蹴込み)も床(太夫座)もあります。お客席は前方が畳、後方(手前)がイス席です。



 今回の人形浄瑠璃芝居公演では、「ふれあい座」の名前が入った専用の手摺(蹴込み)幕を使用せずに、黒無地の幕で3分割にした手摺を使用しました。

 初日のオープニング公演で、「寿式三番叟」から「傾城阿波の鳴門」に転換する際、短時間でスムーズに手摺の移動ができました。



 そして下の写真は、初日午後の「壷坂観音霊験記」で使用した大道具(壷坂寺の崖)です。通路に置いてありましたね。

 専用の劇場なら舞台裏に収納してあって、お客様が大道具の造作を見ることも無いのでしょうが、なにぶん仮設の会場なので、大道具置き場に四苦八苦です。お客様が、「ふ~ん、こんなふうに組み立てるんだ。」と、興味深そうに観察していました。



 さて、話題かわって、初日(12月18日)の夜に開催された「劇団交流会」の様子です。

 人形劇フェスティバルは、観劇する町民の皆さん(来場のお客様)に楽しんでいただくとともに、参加・出演する県内外の人形劇団の交流・研鑽の機会でもあります。大袈裟に言えば「全国的文化交流」のチャンスです。

 松茂町内のレストラン「阿波之里」でいっしょに夕食を食べながら、しばし人形劇の魅力を話し合いました。もちろん、遠路、東京・大阪から出演の劇団も参加してくださいましたよ。



 劇団メンバーに地元スタッフも交えて、阿波の幸に舌鼓を打ちながら、しばし人形劇談義です。

 最後には「人形劇団ごんべ」の黒田さんが自慢の人形を披露しながら、徳島県の人形劇事情についてテーブルスピーチをしてくださいました。



 これで、「まつしげ人形劇フェスティバル2010」の【リポート】全10回はおしまいです。

*          *           *

 次回、「まつしげ人形劇フェスティバル2011」は、開催時期を夏に移して、7月31日(日)に松茂町総合会館(役場・公民館・コミュニティセンター)を会場に開催します。お楽しみに!

2011年1月29日土曜日

【リポート】まつしげ人形劇フェスティバル2010★(9)

 
 今年の人形劇フェスティバルでも、「スタンプラリー」は大好評でした。資料館会場の玄関に総合受付を設置し、そこで観劇後のスタンプを押したり、景品交換をしました。



 今年も好評だった理由は、景品の缶バッチが素敵だったからです。

 松茂町や人形劇にゆかりのデザインは、実に24種類です。観劇やワークショップ体験でスタンプが1個ずつもらえますから、3個のスタンプで景品に交換できます。どれが当たるか楽しみですね。

 ちなみにデザインは当館の冨士久美子さん作で、製作は「職業体験」で当館に来ていた松茂中学校2年生4名の仕事です。とても手作りとは思えない、本格的な仕上がりです。



 ところが、フェスティバル最終日(2日目)の午後になると、せっかく観劇してスタンプを押しても、3個ためることができません。もう観劇やワークショップのプログラムが終わっています。

 そこで登場したのが、「うろうろスタンプ」1号と2号です。人形劇を見たあと、会場内に隠れている2人の「うろうろスタンプ」さんを探すのです。見つけるとスタンプを押してもらえます。



 あっ、廊下の手前と奥に「うろうろスタンプ」さん発見です。



 無事にスタンプ3個たまりました。さぁ、景品と引き替えです。

 「どんなデザインのバッチが当たるかな?」、引き替え待ちの行列が会場の外まで続いていました。



(つづく)

2011年1月28日金曜日

【リポート】まつしげ人形劇フェスティバル2010★(8)

 
 今年の「まつしげ人形劇フェスティバル2010」では、協賛行事として「藍染めワークショップ」が行われました。フェスの会場である資料館には、附属施設として「藍・陶芸作業棟」がありますから、これを有効活用して、「かわいらしい人形」や「クリスマスの飾り」をモチーフに、藍の型染めを体験してもらおうという趣向です。

 もちろん、「文化立県とくしま推進会議」(事務局・県庁とくしま文化推進課)のキャンペーン「阿波藍×未来形プロジェクト」にも協賛しています。

 無地のハンカチや、あらかじめ黄色に草木染めをしておいたハンカチに、型紙を置いて糊を塗り固めます。様々なデザインの型紙や草木染めハンカチは、舩井学芸員と町民ボランティア「資料館藍染めの会」の皆さんが、数ヶ月前から準備してくださいました。



 写真は、藍の液に浸ける前の「糊置き」作業の様子です。



 次の少年は、主催者の意向(人形劇やクリスマスをモチーフに藍染めする)と違って、お正月のデザイン(伊勢エビ)を「糊置き」していますね。主催者としては困惑してしまいますが、上手にできているので、まあOKとしましょう。



 こうした「糊置き」作業の後、別棟に移動して藍の液で染めます。

 皆さん、上手にできましたね。



(つづく)

【リポート】まつしげ人形劇フェスティバル2010★(7)

 
 最終日(12月19日)の図書館会場を紹介します。地元・松茂町の大人気劇団・「影絵劇団はなほな」の出演です。

 「うめちゃんでーす」、「ふじきちでーす」、「ちゅうちゃんでーす」、「まさちゃんでーす」、「けいくんでーす」、「5人あわせて、はなほなでーす」、・・・。



 今回の演目「おはなしの花、ほなさかそか!」(新作4本立て)は、第1話「まんまるとまんまる」、第2話「りんごがひとつ」、第3話「さんかくとしかく」、第4話「阿波の昔話:かさやのだいやん」の4本立てです。

 次の写真は「りんごがひとつ」の一場面です。



 おさるさん、美味しそうなリンゴを独り占めはだめよ。

 「まてー!」と、たくさんの動物が追いかけます。



 だか、しかし・・・・。結末は見てのお楽しみに。



 次の写真のお話は、「さんかくとしかく」です。



 すごーい、超満員の盛況です。満席で会場には入れなかった方、ごめんなさい。



 最後のお話は、「かさやのだいやん」です。

 だいやんは、傘で空を飛んだり、海に落っこちたり、まぁたいへん!



 海の中には竜宮城!

 乙姫さまと、クラゲの「くららちゃん」です。



 午前・午後の2公演とも、満員盛況・拍手喝采でしたね。

(つづく)

2011年1月24日月曜日

【リポート】まつしげ人形劇フェスティバル2010★(6)

 
 引き続き「まつしげ人形劇フェスティバル2010」の最終日、12月19日(日)の資料館会場から、「絵本の料理人さなえちゃん」の公演の様子と、ワークショップ「影絵であそぼう」の様子をリポートします。

*          *          *

 朝10時、資料館常設展示室前特設会場で、絵本の料理人さなえちゃん(東京/プロ)の「ドラゴンまるのぼうけん」と「ガブルくんとコウモリおに」の2本立てが始まりました。

 最初、出足の悪かったお客様も徐々に増えていき、最後は満員になっていましたね。



 この会場で「ドラゴンまるのぼうけん」を上演するのは、2007年10月の国民文化祭「まつしげ人形劇フェスティバル」以来です。

 さなえちゃんも故郷・徳島県での上演とあって、かなりの意気込みです。親戚の方や、城東高校の同窓生の方も、観劇されていたようです。



 12時からは常設展示室内に設けた「影あそび場」で、影絵ワークショップの始まりです。



 指導をしてくださるのは、もちろん地元・松茂町のプロ劇団「影あそび劇団ジョイホナ」の“やまちゃん”こと山崎康忠さんです。



 隣の図書館会場で11時から上演だった「影絵劇団はなほな」を観劇したお客様が、大挙して影あそびワークショップに来てくれました。まさに「観感楽学」〔かん・かん・がく・がく〕(観て・感じて・楽しく・学ぶ)です。



 午後も14時から、常設展示室前特設会場で、絵本の料理人さなえちゃんの公演でしたが、ちょっと陽射しが強くてプロジェクターのスクリーンが見にくかったようです。主催者として反省です。



 それでも楽しい2本立て公演は、拍手喝采の中で終了。最後に、“チョコラボンボンの実”(なんのこっちゃと思う方は、ぜひ人形劇「ガブルくんとコウモリおに」をご覧ください。)をお客様にプレゼントです。



 寒い12月のイベントですが、人形劇を観た後は、きっとみんなの心が温かくなっていることと思います。

(つづく)

2011年1月15日土曜日

【リポート】まつしげ人形劇フェスティバル2010★(5)

 
 ここでは、12月19日(日)、「まつしげ人形劇フェスティバル2010」の最終日から、阿波人形浄瑠璃芝居の様子をリポートします。

*          *          *

 阿波人形浄瑠璃芝居は、当館・文化財展示室の特設舞台で、13時00分に開演です。演目は「傾城阿波の鳴門」から、「順礼歌の段」と「十郎兵衛住家の段」です。松茂町内での「十郎兵衛住家の段」の公演は、実に1年2か月ぶりになります。

 出演は前日に引き続き地元・松茂町の「人形浄瑠璃ふれあい座」で、太夫は両段ともに三木早苗さん、三味線は前半「順礼歌の段」が吉岡寿子さん、後半「十郎兵衛住家の段」が竹本友和嘉師匠です。



 三人遣いの「巧みな」技に、なんとも魅せられますね。何より、武家の忠義と親子の情愛の交錯が、これも「巧みな」ストーリーで展開します。



 そして、後半「十郎兵衛の段」のストーリー展開は、思いもよらない悲劇です。「まるでヨーロッパのオペラのようだ」と、感想をよせてくれたお客様もありました。

まつしげ人形劇フェスティバル2010「十郎兵衛住家の段」(撮影:三原弘枝さん)

 ラストシーンの十郎兵衛の「見得」(みえ)も決まり(上の写真/撮影:三原弘枝さん)、会場は拍手喝采になりました。
(つづく)

2011年1月12日水曜日

【リポート】まつしげ人形劇フェスティバル2010★(4)

 
 引き続き12月18日(土)の「まつしげ人形劇フェスティバル2010」初日の様子のリポートです。

 フェスティバルの楽しみは、もちろん人形劇の観劇ですが、その他にも楽しい協賛行事がありました。下の写真は、資料館玄関に設けられた総合窓口(スタンプ受付)です。私たち人形劇フェスティバル実行委員会主催のスタンプラリーと、県庁主催のスタンプラリーが行われました。実行委員会主催のスタンプラリーでは、人形劇を見て、体験してスタンプを3個集めると、素敵な景品がもらえます。



*          *          *

 さて、昨年のフェスティバルでも大好評だった“てるてるアートバルーン”さんが、今年も来てくれました。

 夕方3時30分、資料館会場を緑色のラインに沿って進むと、…。



うさぎ、ねずみ、いぬ、とんぼ、等々、かわいらしいアートバルーン(風船)が次々と創られていきます。みんなワクワクしながら行列して待ちます。



 やっと順番が回ってきました。楽しみだなぁ。



 「うわっ、すごい。」「かわいい。」



 空も夕暮れ、初日の「まつしげ人形劇フェスティバル2010」は終了です。資料館会場から、とんぼのアートバルーンを手にうれしそうに帰る家族連れが印象的でした。
(つづく)

2011年1月11日火曜日

【リポート】まつしげ人形劇フェスティバル2010★(3)

 
 12月18日(土)、図書館会場の様子です。

 松茂町立図書館の入口を入ると、人形劇フェスティバルを盛り上げようと、図書館スタッフと町民有志(図書館利用者の皆様)による出演人形劇団に関する装飾(しかも季節柄クリスマス風)がされていました。かわいらしいですね。



 午前11時から登場は、藍住町の「人形劇団ごんべ」です。



 満員のお客様を前に「はじまり、はじまり~」。



 「人形劇団ごんべ」代表の黒田さんは、徳島県内のアマチュア人形劇団のリーダーともいえる存在です。2007年の「第22回国民文化祭・とくしま2007 まつしげ人形劇フェスティバル」でも、企画委員(県内人形劇団の代表)として毎月のように松茂町へ足を運んでいただき、準備・運営に携わっていただきました。



 さて、次の写真は、大阪府枚方市から出演の「人形劇団ころりん」の上演風景です。午後2時からの公演でしたが、これもまた「満員札止め」の大盛況ですね。

 2007年の国民文化祭がご縁で、今回もまた松茂町へ来ていただきました。



 上演作品の「だんだらぼっち」は、第3回吹田アマチュア人形劇フェスティバルで《金賞》を受賞した作品で、「ころりん」としても久々のリバイバル公演でした。



 お芝居のストーリーに言及したいものの、これがスタッフの悲しさ、残念ながら裏方仕事が忙しく、せっかくの上演を見ることが出来ませんでした。とほほ。



 ただ、見たお客様方から、「さすが受賞作品、よかった!」とか、「発声一つをとっても違うなぁ~。」といった感想を寄せていただきました。



 おっ! だんだらぼっち が登場!



 その迫力に驚いたのか、記録係のカメラも傾いてしまいました。
(つづく)

2011年1月1日土曜日

【リポート】まつしげ人形劇フェスティバル2010★(2)

 
 ここでは初日(12月18日)の資料館常設展示室前特設会場の様子をリポートします。

 クリスマス前の催しということもあり、進行係もサンタの帽子で登場です。






 前日から何度もリハーサルを行ったこともあり、とってもいい仕上がりでした。客席の拍手・歓声も多かったですね。

 特に、人形の出来映えは秀逸でした。



 満員御礼! よかった、よかった。



 午後3時からの公演も満員です(通路にはみ出しています)。徳島中央高校人形劇部「とくしま中央一座 ~人形劇楽しみ隊~」による「まんまるパン」の始まり、始まり~!



 かわいらしい人形の登場に、小さな子どもたちも大喜び。



 部員14名の大所帯でしたが、よく練習できていて、とてもスムーズに公演できました。すばらしい。



 常設展示室前に臨時に設けた小さな人形劇場ですが、逆にこぢんまりとして舞台と客席の間に一体感がありました。すてきな演劇空間です。
(つづく)